自動車専用道路 認知症者の逆走多発
大分合同新聞2015年2月16日(月)15:30
気付かず運転、防止難しく 「家族の協力が必要」
県内の自動車専用道路で認知症ドライバーの逆走が多発している。県警高速道路交通警察隊によると、2012年から今年1月末まで確認された逆走12件のうち5人の運転者が認知症だった。自動車専用道はスピードが出るため大事故につながる危険性も高く、同隊は「認知症の運転者は気付かずに逆走するので防止が難しい」と頭を悩ませている。
今年1月中旬、西日本高速道路九州支社から同隊に「逆走している車両がある」と通報があった。駆け付けたパトカーが大分自動車道の日出ジャンクションの取り付け道路を逆走しているのを確認、車を止めさせ出口へ誘導した。運転していた国東市の60代男性は認知症で「どこから逆走したか覚えていない」と話したという。
昨年は危険な長距離の逆走が2件発生した。3月に宇佐市の80代男性が大分自動車道九重インターチェンジ(IC)近くの追い越し車線を逆走。通報は由布岳パーキングエリア(PA)からも寄せられており、約18キロにわたって逆走していたとみられる。12月には福岡県の60代男性が大分IC―別府IC間を約9キロ逆走。2人とも逆走に気付いていなかった。
同支社はPAなどに逆走防止の看板を出し、逆走を感知する赤色灯も県内に21機設置している。しかし、緊急通報装置などは付いておらず「事故防止には運転者本人が逆走に気付く必要があるのが現状」(同隊)という。
道交法では75歳以上の運転者を対象に、免許更新時に認知機能検査を課している。しかし、認知症には若い患者も多く、更新までの間に病状が進行する場合もある。穴井政義副隊長は「地方は車がないと生活できない人もおり、制度でカバーできない部分がある。免許証の自主返納も含め、解決のためには家族の協力が必要」と話している。
昨年は危険な長距離の逆走が2件発生した。3月に宇佐市の80代男性が大分自動車道九重インターチェンジ(IC)近くの追い越し車線を逆走。通報は由布岳パーキングエリア(PA)からも寄せられており、約18キロにわたって逆走していたとみられる。12月には福岡県の60代男性が大分IC―別府IC間を約9キロ逆走。2人とも逆走に気付いていなかった。
同支社はPAなどに逆走防止の看板を出し、逆走を感知する赤色灯も県内に21機設置している。しかし、緊急通報装置などは付いておらず「事故防止には運転者本人が逆走に気付く必要があるのが現状」(同隊)という。
道交法では75歳以上の運転者を対象に、免許更新時に認知機能検査を課している。しかし、認知症には若い患者も多く、更新までの間に病状が進行する場合もある。穴井政義副隊長は「地方は車がないと生活できない人もおり、制度でカバーできない部分がある。免許証の自主返納も含め、解決のためには家族の協力が必要」と話している。