パン粉用記事
「ゲジゲジナンバー」消滅か…今度は車のプレートで論争 「県名変更」議論した滋賀の苦渋
産経新聞 11月30日(月)15時5分配信
「ゲジゲジ」や「イナズマ」の命名の基となった「滋」の文字(写真:産経新聞)
■県議会 知名度向上へ議論
「近江県」や「琵琶湖県」への県名変更が議論された滋賀県で、今度は自動車のナンバーを「滋賀」から「びわこ」に変えようという案が浮上している。県の知名度の低さを何とか解消しようという動きだ。滋賀ナンバーといえば、虫がはったような文字の形から「ゲジゲジナンバー」として知られるが、本当に消えてしまうのか。(江森梓)
◆全国で最下位
車のナンバー変更の提案があったのは9月の県議会。県議の一人が「ご当地ナンバーが、地域の知名度を上げるのに有効ではないか」と同制度を利用し、県全域のナンバー表示を「滋賀」から「びわこ」に変更することを提案した。同県では、2月の県議会で県名変更が提案されたのを機に変更議論が活発化。県は6月の県政世論調査に県名変更の是非を問う質問を盛り込み、県民の意識を探ったが、結果は「変える必要はない」が82・8%で、「変えた方がよい」の6・5%を大きく上回った。
これで議論はやや下火となった。ただ、同調査で滋賀県の認知度については、65・2%が「あまり認知されていない」と回答。日経リサーチ社の「地域ブランド戦略サーベイ2013」でも、都道府県の認知度で滋賀は37位と岩手や栃木などと並び同率最下位で、知名度向上が長年の課題であることには変わりない。
◆愛好家に有名
そこで次に注目されたのが車のナンバー。滋賀ナンバーは「滋」の文字の「幺」部分が虫のゲジゲジや稲光に似ているとして「ゲジゲジナンバー」「イナズマナンバー」と呼ばれ、一部愛好家の間では有名。しかし広く話題になっているわけではなく、県名に代わって変更案が浮上した。
ナンバー変更については、平成18年12月にも県議会で提案があり、その後、県がご当地ナンバー導入の是非を問うアンケートを実施した経緯がある。結果は賛成28%、反対17%、どちらでもよい52%で、県は「県民から具体的なニーズがあったとまではいえない」として議論を終結させたが、今回再燃した形だ。
ご当地ナンバーは、国土交通省が地域振興を目的に都道府県などの要望を受け、ナンバーの独自の地名表示を交付する制度。18年10月の交付開始以降、「堺」や「世田谷」など29地域が交付を受けている。中でも山梨、静岡両県の市町村が導入した「富士山」ナンバーは、富士山の世界遺産登録に向けた取り組みに弾みを付けるなど対外的なPRで効果を上げている。
◆国「趣旨違う」
ただ同省によると、制度は今の名前を廃止するのではなく、一部地域に限定ナンバーを交付するもので、県全体のナンバーを変更する滋賀のケースは「少し趣旨が違う」と指摘する。
そこで同県は、国が導入準備を進める「地方版図柄入りナンバープレート制度」なども視野に入れ、変更について考えたいとする。三日月大造知事は「近江、琵琶湖などが持つ良好で上質なイメージと滋賀の魅力を結び付けて発信する方策について検討したい」と話す。議論の行方に注目だ。
「日本人は、ねずみ男だ」と語った水木しげるさん◆全国で最下位
車のナンバー変更の提案があったのは9月の県議会。県議の一人が「ご当地ナンバーが、地域の知名度を上げるのに有効ではないか」と同制度を利用し、県全域のナンバー表示を「滋賀」から「びわこ」に変更することを提案した。同県では、2月の県議会で県名変更が提案されたのを機に変更議論が活発化。県は6月の県政世論調査に県名変更の是非を問う質問を盛り込み、県民の意識を探ったが、結果は「変える必要はない」が82・8%で、「変えた方がよい」の6・5%を大きく上回った。
これで議論はやや下火となった。ただ、同調査で滋賀県の認知度については、65・2%が「あまり認知されていない」と回答。日経リサーチ社の「地域ブランド戦略サーベイ2013」でも、都道府県の認知度で滋賀は37位と岩手や栃木などと並び同率最下位で、知名度向上が長年の課題であることには変わりない。
◆愛好家に有名
そこで次に注目されたのが車のナンバー。滋賀ナンバーは「滋」の文字の「幺」部分が虫のゲジゲジや稲光に似ているとして「ゲジゲジナンバー」「イナズマナンバー」と呼ばれ、一部愛好家の間では有名。しかし広く話題になっているわけではなく、県名に代わって変更案が浮上した。
ナンバー変更については、平成18年12月にも県議会で提案があり、その後、県がご当地ナンバー導入の是非を問うアンケートを実施した経緯がある。結果は賛成28%、反対17%、どちらでもよい52%で、県は「県民から具体的なニーズがあったとまではいえない」として議論を終結させたが、今回再燃した形だ。
ご当地ナンバーは、国土交通省が地域振興を目的に都道府県などの要望を受け、ナンバーの独自の地名表示を交付する制度。18年10月の交付開始以降、「堺」や「世田谷」など29地域が交付を受けている。中でも山梨、静岡両県の市町村が導入した「富士山」ナンバーは、富士山の世界遺産登録に向けた取り組みに弾みを付けるなど対外的なPRで効果を上げている。
◆国「趣旨違う」
ただ同省によると、制度は今の名前を廃止するのではなく、一部地域に限定ナンバーを交付するもので、県全体のナンバーを変更する滋賀のケースは「少し趣旨が違う」と指摘する。
そこで同県は、国が導入準備を進める「地方版図柄入りナンバープレート制度」なども視野に入れ、変更について考えたいとする。三日月大造知事は「近江、琵琶湖などが持つ良好で上質なイメージと滋賀の魅力を結び付けて発信する方策について検討したい」と話す。議論の行方に注目だ。
スポーツ報知 11月30日(月)14時11分配信
ねずみ男のぬいぐるみを抱き上げる水木しげるさん
日本人は、ねずみ男だ。アニメでも有名なロングセラー漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親である漫画家・水木しげるは、そう言い切った。ねずみ男は、お金が大好きで、ずるいが、どこか憎めない名脇役。戦前、戦中、戦後を生きてきた“妖怪の巨匠”が、キャラクターを分析、独自のニッポン人論を語った。(酒井隆之=08年1月8日付スポーツ報知から)
【写真】死去した水木しげるさん
妖怪と“共生”して85年。そんな水木に「妖怪の目から見た日本人」について語ってもらおうと問いかけると、「日本人そのものが妖怪だ」と言われた。しかも、日本人のほとんどが「ねずみ男」だという。
「ねずみ男というのは、何もない、金もないのに、生きていかないといけないという、庶民の代表ですよ。どんな時代にも対応できる。強いと言えば強いんですよ。これに似た日本人が8割近くいるんじゃないですか。パチンコ店をキョロキョロのぞくとみんなねずみ男風だ。興奮状態が伝わってくる」
漫画では鬼太郎が主役で、ねずみ男はあくまで脇役だ。「水木サン(水木は自身をこう呼ぶ)は、ねずみ男風なやり方で大衆の心を奪ったと思うな。というのは鬼太郎式な強い英雄は昔からいたから。ねずみ男を描いたことで、みんな共鳴したんですよ。私はこれが面白くて、これをいじくりまわしてきた。愛される、おもしろがらせる、というのはマンガにとっては一番。ねずみ男を発明して、水木サンは豊かになったんと違いますか」
水木が生まれたのは大正時代。そのころから日本人はねずみ男だったのだろうか。「江戸時代からねずみ男風なのはおったと思う。バカにされていた感じですよ」。「ゲゲゲの鬼太郎」では、ねずみ男は“360年以上生きている”という設定だが、江戸時代からの日本人像だ、というのだ。
年下の手塚治虫、石ノ森章太郎らと、日本漫画の礎を作った。「鉄腕アトム」、「仮面ライダー」を生んだ2人の天才に対して、水木は奇才と呼ばれた。「2人とも、徹夜を自慢していたけど、徹夜に殺されたようなもの。私は徹夜すると1週間動けなくなる。ベビーのころから眠りに弱かったから、長生きしてるんじゃないかな。眠りこそ健康のもと。だから水木家は病気をしない。だいぶ殴られたけど、軍隊でも人より1秒でも長く寝ていたから。顔が航空母艦みたいになるほど長く寝てるから元気ですよ。空母ですから、力強いですよ」
21歳のときに召集令状を受け、南太平洋の激戦地、ニューブリテン島(ラバウル)に出征。空爆で左腕を失った。戦前、戦中、戦後を生きてきた男は「日本人というのは、理性的というより、感情的な民族と違いますか。興奮して騒ぐ。善良だけど、あくせくし、あわてる。でも無駄なエネルギーだった、と戦争に負けてから知った。そして平和になった」と分析する。
ねずみ男のように、どこにでも順応できた。戦地ラバウルで、現地のトライ族と仲よくなった。「畑をやるし、家も建ててやる、女房も世話するから残れって。向こうにいれば王様みたいな生活が約束されていたけど、残っていれば、鬼太郎もねずみ男も生まれなかったでしょう」ラバウルとは今でも交流があり、「海外に行くと、地元の妖怪が私に飛びついてくる」と笑う。
これまで約60か国を訪れ、「ねずみ男は世界中のどこにでもいる」と確信するようになった。水木本人が知らない間に、手塚治虫の名作「火の鳥(鳳凰編)」では、ねずみ男がひとコマだけ、勝手に登場していた。「そうなの? ずうずうしいというか。生命力があるというか」。「ミッキーマウス」で知られるウォルト・ディズニーは、人気が出る前には、ねずみばかり描く漫画家として、米国では「ねずみ男」と呼ばれていたという“都市伝説”も。「なるほど。そうですか。やっぱり多少、似たところがあるんですね。考えてみればミッキーマウスも描き方が違うだけだからな」
最後に、水木こそ“究極のねずみ男”なのでは、と聞いてみた。「ねずみ男はあくまでも部下。水木サンは妖怪でも親分の方だからね。子泣き爺(じじい)みたいな存在だな。あんまり何もしないのに、何かしたような顔をしている。10年来、過去の作品をいじくってるだけで、何にもしてないんだから」あくせくと動き回り、“ねずみ男道”を進んでいけば、理想の境地、子泣き爺になれるかもしれない。(敬称略)
◆水木しげる(みずき・しげる) 本名・武良(むら)茂。1922年3月8日、大阪市住吉区生まれ。生後1か月から、鳥取県境港市で育つ。境尋常小時代に自分の名前を「げげる」となまってしゃべったことから「げげげ」と呼ばれる。日本大学大阪夜間中学3年時の43年にニューブリテン島(ラバウル)に出征。終戦後、武蔵野美術学校卒業。50年に神戸市の水木通りにアパート「水木荘」経営。翌年、阪神画劇社で紙芝居作家となり「空手鬼太郎」発表。57年、上京し、貸し本漫画家に転身。処女作は「ロケットマン」。60年、「墓場鬼太郎」発表。68年、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」開始。91年、紫綬褒章受賞。96年、文部大臣賞受賞。03年、旭日小綬章受賞。世界妖怪協会会長。家族は布枝夫人と2女。
◆ねずみのキャラクター 十二支のトップバッターでもあるネズミは、漫画の主人公になりやすく、ミッキー・マウス、トッポ・ジージョ、ジェリー(トムとジェリー)、ガンバ(ガンバの冒険)、ピカチュウ(ポケットモンスター)など人気者が多い。愛らしさとは無縁のねずみ男は異質な存在といえる。
◆ねずみ男 本名はペケペケ(南方語で大便を意味する)。人間界と地獄の中間出身の半妖怪で、年齢は360歳以上。妖怪大学怪奇学科(または不潔学科)卒。なまけ博士号取得。肩書は長寿教教祖、鬼太郎マネジャーなど無数。ゲゲゲの鬼太郎に対して、ビビビのねずみ男と言われる。主役作は「ねずみ男の冒険」(ちくま文庫)ほか。160センチ、49キロ。家族は母と妹(ねずみ女)。妖子との結婚歴(詐欺被害)あり。天敵はねこ娘。実写版「ゲゲゲの鬼太郎」では竹中直人(85年フジテレビ)、大泉洋(07年松竹)が演じた。
漫画では鬼太郎が主役で、ねずみ男はあくまで脇役だ。「水木サン(水木は自身をこう呼ぶ)は、ねずみ男風なやり方で大衆の心を奪ったと思うな。というのは鬼太郎式な強い英雄は昔からいたから。ねずみ男を描いたことで、みんな共鳴したんですよ。私はこれが面白くて、これをいじくりまわしてきた。愛される、おもしろがらせる、というのはマンガにとっては一番。ねずみ男を発明して、水木サンは豊かになったんと違いますか」
水木が生まれたのは大正時代。そのころから日本人はねずみ男だったのだろうか。「江戸時代からねずみ男風なのはおったと思う。バカにされていた感じですよ」。「ゲゲゲの鬼太郎」では、ねずみ男は“360年以上生きている”という設定だが、江戸時代からの日本人像だ、というのだ。
年下の手塚治虫、石ノ森章太郎らと、日本漫画の礎を作った。「鉄腕アトム」、「仮面ライダー」を生んだ2人の天才に対して、水木は奇才と呼ばれた。「2人とも、徹夜を自慢していたけど、徹夜に殺されたようなもの。私は徹夜すると1週間動けなくなる。ベビーのころから眠りに弱かったから、長生きしてるんじゃないかな。眠りこそ健康のもと。だから水木家は病気をしない。だいぶ殴られたけど、軍隊でも人より1秒でも長く寝ていたから。顔が航空母艦みたいになるほど長く寝てるから元気ですよ。空母ですから、力強いですよ」
21歳のときに召集令状を受け、南太平洋の激戦地、ニューブリテン島(ラバウル)に出征。空爆で左腕を失った。戦前、戦中、戦後を生きてきた男は「日本人というのは、理性的というより、感情的な民族と違いますか。興奮して騒ぐ。善良だけど、あくせくし、あわてる。でも無駄なエネルギーだった、と戦争に負けてから知った。そして平和になった」と分析する。
ねずみ男のように、どこにでも順応できた。戦地ラバウルで、現地のトライ族と仲よくなった。「畑をやるし、家も建ててやる、女房も世話するから残れって。向こうにいれば王様みたいな生活が約束されていたけど、残っていれば、鬼太郎もねずみ男も生まれなかったでしょう」ラバウルとは今でも交流があり、「海外に行くと、地元の妖怪が私に飛びついてくる」と笑う。
これまで約60か国を訪れ、「ねずみ男は世界中のどこにでもいる」と確信するようになった。水木本人が知らない間に、手塚治虫の名作「火の鳥(鳳凰編)」では、ねずみ男がひとコマだけ、勝手に登場していた。「そうなの? ずうずうしいというか。生命力があるというか」。「ミッキーマウス」で知られるウォルト・ディズニーは、人気が出る前には、ねずみばかり描く漫画家として、米国では「ねずみ男」と呼ばれていたという“都市伝説”も。「なるほど。そうですか。やっぱり多少、似たところがあるんですね。考えてみればミッキーマウスも描き方が違うだけだからな」
最後に、水木こそ“究極のねずみ男”なのでは、と聞いてみた。「ねずみ男はあくまでも部下。水木サンは妖怪でも親分の方だからね。子泣き爺(じじい)みたいな存在だな。あんまり何もしないのに、何かしたような顔をしている。10年来、過去の作品をいじくってるだけで、何にもしてないんだから」あくせくと動き回り、“ねずみ男道”を進んでいけば、理想の境地、子泣き爺になれるかもしれない。(敬称略)
◆水木しげる(みずき・しげる) 本名・武良(むら)茂。1922年3月8日、大阪市住吉区生まれ。生後1か月から、鳥取県境港市で育つ。境尋常小時代に自分の名前を「げげる」となまってしゃべったことから「げげげ」と呼ばれる。日本大学大阪夜間中学3年時の43年にニューブリテン島(ラバウル)に出征。終戦後、武蔵野美術学校卒業。50年に神戸市の水木通りにアパート「水木荘」経営。翌年、阪神画劇社で紙芝居作家となり「空手鬼太郎」発表。57年、上京し、貸し本漫画家に転身。処女作は「ロケットマン」。60年、「墓場鬼太郎」発表。68年、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」開始。91年、紫綬褒章受賞。96年、文部大臣賞受賞。03年、旭日小綬章受賞。世界妖怪協会会長。家族は布枝夫人と2女。
◆ねずみのキャラクター 十二支のトップバッターでもあるネズミは、漫画の主人公になりやすく、ミッキー・マウス、トッポ・ジージョ、ジェリー(トムとジェリー)、ガンバ(ガンバの冒険)、ピカチュウ(ポケットモンスター)など人気者が多い。愛らしさとは無縁のねずみ男は異質な存在といえる。
◆ねずみ男 本名はペケペケ(南方語で大便を意味する)。人間界と地獄の中間出身の半妖怪で、年齢は360歳以上。妖怪大学怪奇学科(または不潔学科)卒。なまけ博士号取得。肩書は長寿教教祖、鬼太郎マネジャーなど無数。ゲゲゲの鬼太郎に対して、ビビビのねずみ男と言われる。主役作は「ねずみ男の冒険」(ちくま文庫)ほか。160センチ、49キロ。家族は母と妹(ねずみ女)。妖子との結婚歴(詐欺被害)あり。天敵はねこ娘。実写版「ゲゲゲの鬼太郎」では竹中直人(85年フジテレビ)、大泉洋(07年松竹)が演じた。