風船爆弾 少女の心に傷 福岡・大刀洗で資料展開幕
西日本新聞 11月30日(月)12時7分配信
小倉造兵廠で製造された風船爆弾
第2次世界大戦末期、旧日本軍が米本土を攻撃するために秘密裏に開発した「風船爆弾」の資料を中心に集めた特別展「戦後70年戦時資料展」が29日、福岡県筑前町高田の同町立大刀洗平和記念館で始まった。戦後70年がたち、記憶の風化が進む中、戦争の史実を伝えようと企画した。
「B29って、どんな鉛筆?」と聞かれ、驚いた。
特別展には約40年間風船爆弾を取材してきた同県田川市の記録作家、林えいだいさん(81)が協力。林さんが取材した、学徒動員で風船爆弾の製造に携わった2人の元女学生の日記や遺書をはじめ、素材の和紙や当時の写真や新聞など約200点を展示している。
西日本新聞社
風船爆弾は直径約10メートルの無人気球に焼夷(しょうい)弾と対人爆弾をつるし、偏西風を利用して飛ばした。西日本最大の兵器工場だった小倉造兵廠(しょう)(現北九州市)では、女子挺身(ていしん)隊と学徒動員の女学生たち計約2850人が製造に携わったとされる。約9千個を飛ばし、1割が米本土に到達。オレゴン州の住民6人が死亡したのが唯一の人的被害とされる。
戦時資料展は来年3月10日まで。
=2015/11/30付 西日本新聞朝刊=
. 戦時資料展は来年3月10日まで。
=2015/11/30付 西日本新聞朝刊=
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